認知のゆがみ
特徴的な認知のゆがみ
極端なものの考え方や受取方の代表なものをあげてみましょう。
気持ちが動揺したときのあなたの頭に浮かんでいる自動思考の中には、きっとこうした特徴的なクセが見つかるはずです。
①根拠のない決めつけ
根拠が少ないままに思いつきを信じ込むことです。
例:はじめて手がけた仕事がうまく進まないときに、この仕事はうまくいかないだろうとすぐに決めつけてしまいました。
②白黒思考
灰色(あいまいな状態)に耐えられず、ものごとをすべて白か黒かという極端な考え方でわりきろうすることです。
例:なんでも完全にできないと気になってしまいます。
③部分的焦点づけ
自分が着目していることだけに目を向け、短絡的に結論づけることです。
例:ある人に苦手意識をもっていると、行き会ったときに挨拶をされなかったという事実に目が向いて、やはり嫌われていると考えてしまいます。
④過大評価・過小評価
自分が関心のあることは過大してとらえ、反対に自分の考えや予想にあわない部分はことさらに小さく見ることもあります。
例:対人交渉が下手だと思っているために、上手に交渉出来なかったときのことばかりを思い出して、うまくいったときのことは忘れてしまいます。
⑤べき思考
「こうすべきだ」「あのようにすべきではなかった」と過去のことをあれこれ思い出して悔んだり、自分の行動を自分で制限して自分を責めることです。
例:家事が十分にできない自分をみて「主婦なら家事を完璧にするべきだ」と責めます。
⑥極端な一般化
少数の事実を取り上げ、すべてのことが同様の結果になるだろうと結論づけてしまいます。
例:ひとつのあるプロジェクトが思ったように進まないときに、過去の失敗を思い出して、自分はいつも失敗すると考えます。
⑦自己関連づけ
何か悪いことが起きると、自分のせいで起こったのだと自分を責めてしまいます。
例:子供が学校で問題を起こして担任から注意を受けたときに、すべて自分の育て方が悪かったんだと自分を責めます。
⑧情緒的な理由づけ
そのときの自分の感情に基づいて、現実を判断してしまいます。
例:新しい仕事についたときに不安を感じると、「はじめてでよくわからないから不安なんだ」とは思わずに「こんなに不安なんだから、自分には出来ないほど難しい仕事に違いない」と思いこんでしまうのです。
⑨自分で実現してしまう予言
自分で否定的予測を立てて自分の行動を制限してしまい、自分の行動を制限するものだから、予測どおり失敗してしまう。その結果、否定的な予測をまっすます信じ込み、悪循環に陥ってしまいます。
例:人前で話そうとすると声が震えるのではないかと心配しているために、いざ実際に人前で話すことになると、失敗することばかり考えて意識過剰になり声が震えてしまって、結局やはりそうだったのかと考えます。